新年を迎えてもコロナ渦はまだまだ続き、先行きが見えぬ中
鬱積した思いで過ごされているクルーズファンの方々も多数おられると思います。

そんな中、幸運にも新年2日横浜発のにっぽん丸に乗船する機会を得ましたので
ご報告がてらに筆を執らせて頂きます。

今回のクルーズは、当方のたっての願いで乗船に至った訳ですが
事前の案内を目にする限り、やれマスクがどうだとか検温がなんだとかで
さぞ息苦しく、船内全てにおいてただ走れば良いだけというような印象を抱きつつの乗船でした。
一晩で嫌気がさして鳥羽で下船という事まで考えて居たのも事実です。

あれこれ猜疑心に苛まれつつクルーズを迎えたわけですが
乗船受付からクルーズ中に至るまで、当方の感覚では極めてスムーズかつ快適に感じられました。
食事やティータイムなどの際の乗客の着座位置の把握から毎日の検温なども、出迎える、席に案内する、注文を取りに来る、といったごく自然な行動をとる中で実施されていたように感じます。
運休中に熟考したうえで実施されている事と推察できますが、その努力には頭が下がる思いでおります。
乗客を半減させての運航の様でしたが、その恩恵？か船内全てにゆったりとした時間が流れているよう・・・。
船内諸施設に至っても、満席で待ち時間が出来る様な事もなく楽しみ尽くすことが事が出来ました。
食事中などは流石に普段の様に同席の方との会話と楽しみながらという事は憚られましたがその分、目と舌でしっかり料理を楽しめたと思います。
最終日のディナーで1932年夏の南米航路の復刻メニューが提供された事には感動を覚えました。
当方にとって10年ぶりの日本客船への復帰。
復帰1隻目に、にっぽん丸を選んで良かったと心から思っております。

今回のクルーズは、当方の27年に及ぶクルーズ経験の中で初めて体験する日本客船でのお正月でした。
船内各所に飾られたお正月飾りやお節料理など、感激と感動に彩られた4日間でした。
鳥羽では伊勢神宮に参りましたが、長年旅していながら初めてのお伊勢参り、
復路の航海日は朝から夜まで富士山が付かず離れずで、船上からの景色もまさにお正月!!
今回のにっぽん丸は当方には過ぎた宝船でした・・・。

最後になりましたが、にっぽん丸就航30周年おめでとうございます。
末永いご安航をを祈りつつ終わらせて頂きます。