中国、インドのアジア2大国家に囲まれた小さな国ブータン。ヒマラヤをはさんで、チベットの南、インドの北という位置づけとなる。
九州やスイスと面積は変わらないが、人口は60〜70万人程度で、スイスの15分の1である。
チベット側との国境にはブータン最高峰・海抜7561メートルのガンカルプンスム峰がそびえ、小さな国をインドの平野部にかけて、急斜面となっており、高い山や尾根、深い谷ばかりで形成されているのがブータンだ。
ブータンにももちろん河川はあるが、急斜面ゆえに流れが非常に急である。よって、舟等の交通手段もままならない。
その間トンネルのひとつもない。トンネルを作る労働力もなければ、経済的な採算も合わない。
集落はまばらにあり、僧院と県庁の役割を果たすゾンは、20の地に散在している。
以上のような条件を想像すれば、ブータンにおける交通・物流・コミュニケーションが、いかに大変かが分かると思われる。
ツアープランを立てるうえで、上表の距離だけをみて、他国と同じ感覚で旅程を作ってはいけない。
ブータンでの車移動は、せいぜい時速15〜20キロ位を目途にしないと、安全管理の上でも問題となる。
上記時間について、あくまでも目安ではあるが、ハイエース(ワゴン)での移動をベースとする。
18人乗りコースター等の場合は、約1割増しの想定が必要といえる。
いずれにしても、事前告知なく、道路の補修工事が行なわれることも多々あり、工事の際は、
1時間以上も足止めを食らったりするので、無理な長距離移動は計画しない方が懸命である。 |